ねえ夢みたいな心地

=42.Twitter@CafeNhaao

鳥と鳥

三番街の三番通り、掛けて九、足して六の坂には沢山の花屋が。そしてそのせいでその坂を下るときにはむせ返るくらいの花の香りがする。

その坂を通らなければいいのだけれど、毎週通う教会から帰る時には一番都合の良い道だったので、そこいらに住む子どもたちは自転車に乗って、ペダルから足を外して一気に下るのがお決まりだった。

その坂の上にある教会から二人の少女が、坂を下りきった先にある大きな木の近くにあるオモチャ屋敷へ向けて歩いていた。

ポプラが少女に聞いた話によると、オモチャ屋敷はおばあさんがいない代わりに、おじいさんお手製の大量のオモチャと、猫と、金魚がいるみたいで、少女はたまに屋敷へ遊びに行くのだという。

しばらく歩いているとオモチャ屋敷についたみたいで、木製の扉をノックしながら少女がおじいさんを呼ぶ。

「ガチャ」と鳴って出てきたのは、丸眼鏡に白髪と白い髭をたくわえたいかにもな老人で、ポプラをみると

 おや

といって少女とポプラにキャンディーをくれた。

屋敷の中にはオモチャが沢山あって、そのオモチャや猫と遊んだり、おじいさんの話を聞いたり、おじいさんに話をしたり、おじいさんと話をしたりした。ポプラはとても楽しかった。

そしてそとで鳥の鳴き声が聞こえると、すぐにオモチャの時計が動いて帰る時間だとわかった。

おじいさんとの挨拶をすませて、屋敷を出る時に、おじいさんが寂しそうな顔をしながらキャンディーをくれて、そしてそれを舐めながら帰った。

リジー

この街で一番背の高いポプラが植えられてから区切りのいい、もう少しだけ突っ込んだ言い方をすると、五の倍数が積み重なった時の記念日に産まれた女の子がポプラという名前をつけられた。

由来は寿限無よろしく、高く聳えるポプラのように、大きく育ちそして長生きするようにとのことだった。

ポプラはすくすくと育ったが、三月生まれだから背は低かった。

ポプラがちょうど五才になった時は日曜日で、お母さん達と街の教会にでかけていた。別にポプラはその教会が崇めるものが何かなんて分かっていなかったし興味もなかったけれど、神父さんがくれるキャンディーは毎週違う味だから、教会に通うことは苦にならなかった。

そして誕生日から次の日曜にいつも通り神父さんから飴玉をせびろうと教会へ向かい、家で聞くレコードの音と比べたら一段低く聞こえる歌を聞いていると、ポプラの青い瞳にチカチカと光が入ってきた。

光の元は右隣の列の斜め前にいるポプラと同じくらいの歳の女の子で、窓から入ってくる太陽の光をペンダントを使って反射させているようだった。

 ポプラも首からペンダントを外して応戦しようとするのだけど、窓からの光はポプラの席には入らないから、例の女の子のペンダントから放たれる光を使ってやると、二人はおかしくなってとうとう声を出して笑ってしまった。

そうなると二人の親が黙っていないもので、子どもを黙らせようと叱るのだけれど、もうおかしくなってしまった二人の笑いは止められないもので、仕方なしに二人を教会から出すことにした。

教会を追い出されたポプラと女の子は、扉を抜けて広めの庭に座っておしゃべりを始める。

コオロギの旅

不定期的に訪れる何も出来ない病はどうやら季節の変わり目に関係があるようで、実は終わり方が決まっていたりするドリーも、その結末までの辻褄合わせが長すぎるために億劫になって手つかずだったりする。

この期間何をするでもなく、ただ宮崎駿に関する映像を見て、アーリオオーリオペペロンチーノの為の乳化を練習しているうちにまた一つ歳を取っただけなので、書くことがない。

なのでこれから詭弁を垂れる。

 

三番街で一番大きなポプラが生える十字路の向かい側にはこじんまりとしたオモチャ屋敷があって、その屋敷には主である独り身の老人とペットの猫と金魚が、そして老人は知らないが、無許可居候のコオロギが暮らしている。

猫と金魚とコウロギは、老人が話す童話や寓話が好きで、猫と金魚は「バナナウオ」という魚の話が、コオロギはオモチャに命を吹き与える話がお気に入りだった。

「バナナウオ」に関する話は省くとして、コオロギお気に入りの話は、

 雷が落ちた「エドガワ」と「カモガワ」からカップ一杯分だけ掬い、「ウエノ」の野良猫の尻尾を煎じて混ぜ合わせたものをオモチャに飲ませると、命が宿り意思を持つ。

というもので、話はもっと紆余曲折あった気もするけれどそれはまた別の機会に思い出すとして、とにかくコオロギはその話が大変お気に入りだった。

というのもコオロギは屋敷の中の仕掛け時計の22時にだけ出てくる名前も知らない少女に恋をしていたからだ。コオロギは毎日その少女を一目見ようと22時には時計の見晴らしの良い場所で待機して、彼女の美しい金色の髪と、青色の瞳に見惚れていた。

ある日の昼に、リジーと言う名の6歳ほどになる少女が交通事故で死に、事故の時にリジーが乗っていた三輪車を直してあげようと屋敷の老人が夜遅くまで起きていた時に、コオロギと老人が顔を合わせた。

 えっとそれで、どうなるんだったっけ。

 

習作

もう何年も前に毎日通っていた吉祥寺って街は微かに、だけども確かな変化を見せていてる。例えば工事中だったビルはもう完成していて、おしゃれな服屋だったり大きな本屋が入っている。そのビルのすぐ近くにあった昼時に嫌な匂いを出していたラーメン屋はいつのまにかなくなっていて、なんだかよく分からない狭い広場になっている。

井の頭公園口から出てOIOIの右側からまっすぐ行った先に、井の頭公園へと下る階段があって、その階段の途中にあるカフェとか、焼き鳥のいい香りがするお店とか、小さい動物園の入り口向かいにあるボート乗り場兼売店には、それなりの思い出が詰まっている。

当時お付き合いをしていた女性と売店で買った団子の串をどこで捨てるかで悩んだ微笑ましい思い出の裏には、恐ろしい殺人事件の噂があるなんてことを僕らは考えもしないでいた。

さっきの階段を降りてから池の向こう側に行きたい時は、そのボート乗り場兼売店に通じる橋を使うのがおきまりのルートだったけれど、何か特別な気分の時は右回りで寄り道するのがお気に入りのルートだった。思い返せば左回りのルートをほとんど使ったことがないので、次の機会には試してみようと思う。

ドリ山ドリーのドリ山創造記−モドキ編

オレンジジュースを飲んだモグラモドキのドリーとモグラのサチエは、お腹が痛くならないように噴水広場のベンチで休んでいると、陽気な音楽に合わせて踊る広場の方から、こちらへ話しかける声が聞こえました。

 ようエリー、モグラ同士でベンチに座って休憩か?

サチエは少し声を張って答えました。

 まあね

声の主がこちらに向かってきて、ベンチの前に立って言います。

 今日はエリーこないと思ってたなあ

 てかそっちのモグラは見ない顔だな

サチエと話しながらドリーのことを見ていいました。このイキモノはドリーが知る限りではクマモドキに似ています。

サチエはそのイキモノにドリーを紹介しました。

 こいつはドリー、地上から来たんだ

ドリーはサチエの紹介を聞いて、慌てて自分でも言います。

 こんにちは、僕はモグラモドキのドリー、君は見たところクマモドキだけど

クマモドキは豪快に笑いながら言います。

 俺はクマだよ、クマ、カブって名前だ

 まあ地中にもクマモドキは居るけどな

 てかよ、この地中じゃあ「モドキ」なんてのはつけなくていいんだぜ

ドリーは質問します。

 どうして?

そりゃモドキかどうかなんてどうでもいい事だしな、見て区別できるもんじゃねえし、そもそもこの地中には本物の方が少ないんだよ

ドリーがカブに相槌を打つと、カブは続けて話します。

 そんなんじゃあ地中のこと何にも知らねえだろ、目にするもの全部新しいんじゃねえか?

 エリーに色々教えてもらえよな、じゃあ俺はパーティーに戻るからさ、また会えたらな

ドリーとサチエは、カブに挨拶して手を振りました。

カブが見えなくなる頃に、サチエがドリーに言いました。

 パーティー中はみんな忙しそうだから、僕がよく休むカフェに行こうか

特に反対する理由もないのでドリーは

 食休みも済んだしね

と返します。

 ドリーとサチエは歩き始めました。

まじただの日記

PC版はてなブログの設定画面などを見た。

スマートフォン版より細かくて面白かった。

絵も描けるらしい。すごい。

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ちょっとむごいにも見える。

ドリ山ドリーのドリ山創造記−Cheers編

ガラクタを貰うためにパーティー会場に着いたモグラモドキのドリーとモグラのサチエは、陽気な音楽に身を任せたイキモノたちの間をスルリと抜けて、人の少ない広場に出ました。

 ドリー、ちょっと待っててね

サチエはそういうと、どこかへ行ってしまいました。

ドリーは暇なので周りを観察することにします。

陽気な音楽に合わせて踊るイキモノたちはみんな笑顔で、踊り疲れたらテーブルのある席に座って休んでいるみたいです。その近くにはヘビモドキみたいにイキモノが並んでいます。

そしてドリーのいる広場はパーティー会場の中心から少し外れているようで、薄暗くなっています。広場の中心には噴水があって、子どもたちが水遊びをしたり、カップルたちが噴水周りに座ったり、ちゅーしたり、水浴びをして楽しんでいるみたいでした。

ドリーはちゅーするイキモノたちをまじまじ見つめる趣味を持つほど無粋なモグラモドキではないので、石畳の窪みを覗き込んだり、噴水で水遊びをする子どもたちを眺めたりして時間を潰しました。

噴水が水を吹く一定のリズムやテンポを把握した頃にはすることもなくなったので、地上でいうところの空を仰いだら、これまた地上でいうところの雲みたいにシャボンがふわふわと浮いていることに気がつきました。

あのシャボンはなんだろうとドリーが不思議に思っていると、サチエが帰ってきたみたいでドリーに話しかけます。

 ドリーお待たせ、すぐそこにある飲み物が出てくる樽からジュースを汲んできたんだ

 踊り疲れた連中がヘビみたいに並んでたから遅くなっちゃった

 ドリーお酒飲めるかわからないから一応オレンジジュースにしといたよ

サチエはドリーにオレンジジュースが入ったカップを渡してくれました。

 ありがとう、お酒は飲んだことないんだ、地上だと僕お酒が飲めない歳だから

そう言ってドリーはサチエと乾杯して、オレンジを飲みました。