ねえ夢みたいな心地

=42.Twitter@CafeNhaao

それからと後書きとこれから

ポプラの話はこれで終わりです。

この話の題名は、殆どが世に出ている曲名から借りています。話はその曲の世界に寄り添ったり、時には無視して進んで行きました。

その曲を聴けば、ポプラやポプラの周りのその後なんかを想像できるかもしれません。参考までにお借りした曲はGalileo Galileiというバンドからと、ディズニー映画の「ピノキオ」からです。

今までの話は、僕がこれから何かを作る為に必要な掃除として考えて作ってきました。Galileo Galileiの楽曲やその世界は、このままでは一生僕についてまわることになってしまいそうだったからです。

これからこのブログという場を借りて何かを作るのは、今もう載せてしまっている「ドリー」と、「即席合間作品」と名のついた詭弁だけになると考えています。

Twitterにあげている「Ideal」シリーズの絵は出来れば続けていこうと努力している次第です。よく考えれば僕は洋画専攻なので、絵が上手く描けないとなんだか申し訳ない気持ちになるからです。その練習として、あの下手くそな絵を描き続けたいと思っています。

あまり長く書いてしまうと読んでいる人間となにより書いている人間が飽きてしまうのでもうお終いにしたいと思います。

それではまた、この場でも違う場でも、どこかであなたと出会えたなら嬉しいです。

星を落とす

町に星を落とした二人は、その様子を見届けると大きな木の下で休みました。ポプラが疲れてしまって眠ろうとすると少女は「夢の中で眠るなんて変なの」と言って笑います。ポプラも一緒に笑って、それでゆっくりと目を閉じました。

この夢から醒めたら、ポプラは教会へ少女を迎えにいくのです。そして永遠に近い時間を過ごし、後からやってくる人達の土産話を楽しみにして待ちます。

落とされた星を見て願った人々には、色々なことが起こったみたいで、例えば星の魔法を使ったコオロギが時間を巻き戻してしまったりとか、それは書ききれないことなのだからあとはご想像にお任せすることにします。

終わり

リジー/かぐやうさぎ

ねえポプラ、あなたが考えていることくらい、私わかるのよ。

みんなにお返しがしたいのよね。そのためにあの強い光を放つ星を盗みにいくんでしょう。

何も怖いことなんてないわ。この世界じゃ全てが全てになるの。あの石も、風も、雲も、何もかもが今なら足場になってくれる。

鼻から大きく吸い込んで、頭を使いさえすればどうにだってなるわ。

さあポプラ、星を盗みましょう。そして星を落とすの。私たちのいたあの街に。

リジー/Hallelujah

私はうすうす感づいているの。

この夢から覚めても教会に行けば彼女がいて、これから少女とその変な世界で暮らしていくこと。しばらくしたらオモチャ屋敷のおじいさんや神父さんがやってくること。

でもその前に、みんなにお礼がしたいって思うの。これは礼儀なんてものじゃなくて、ただしたいって感じるだけだけれど、なにかをしたいって思うんだ。実にならくても、何かを。

 

ポプラと少女は元の世界にいる大人たちに向けて願うのでした。

リジー/When you wish upon a star

ポプラは夢のなかの教会で、また少女と会いました。

ずっと思い出せなかった夢の中身は少女と会った時にはもう思い出していて、特に話すことももうないものだから、どうでもいい話をしながらキャンディーを舐めました。

もう話がお終いになりそうになった時、少女が言いました。

 神父さんに助けられちゃったね

 だってあなた、教会で嘘をついたでしょう

 あの時に神父さんは「いつでもきていい」って言って、抱きしめてくれたじゃない

 もうポプラは教会に入る資格が無かったはずなのに

 こうして私たちが会えたのは、みんなのおかげなんだよ

リジー

ポプラは目が醒めると、自分が街で一番大きい木の下に寝転がっていることに気がつきました。そこは随分と静かで、穏やかな感じがします。

みたところ街に人がいる気配がありません。ポプラは自分の家に帰ることにしました。

ポプラが家に帰っても、誰もいません。しばらく待っても陽が落ちていくだけ。ポプラは居ても立っても居られません。

オモチャ屋敷に顔を出してもあるのはオモチャだけで、ちょうど18時を知らせようと、大量の時計が鳴りました。

時計が鳴り止む前に屋敷を出て教会へ向かおうとしたポプラは、もう随分と暗くなっていることに気がつきます。ポプラは急いで坂を登ります。

息を切らして教会に着いたポプラは、やっぱり教会も真っ暗であることを確認したときには、もう陽が完全に落ちていました。

ポプラを照らすのは月と星だけです。

誰かを探して街を回ったポプラは、初めの大きな木の下に戻りました。

ポプラは星を眺めているうちに、眠ってしまいました。

Freud

三番通りのある三番街、足して6、掛けて9、引いて0の街にポプラが帰った次の日、まだポプラがあたたかいシチューを忘れられない朝にポプラはもう何も気にせずに生きようと決めました。

お父さんとお母さんに心配をかけるし、オモチャ屋敷には行けてないし、今頃教会でキャンディーが溢れているだろうからです。

手始めにポプラはお父さんとお母さんに笑顔で教会へ行くことを伝えました。お父さんはお仕事だからお母さんが付いてくると言うのでそれを断り、少し早めのランチを済ませて家を出ました。

ポプラは真っ赤な三輪車を押して三番通りの坂を登っていきます。花の香りがとても心地の良い気がしました。坂の途中にはアリの行列があったので、三輪車を浮かせて避けてあげました。

長いこと三輪車を押して坂を登りきり、教会へ向けて三輪車を漕いで行きます。そよ風はポプラの髪をなびかせます。

いざ教会へ着いたポプラはキャンディーで埋もれていなかった現状を憂いそして嘆いてから、在庫切れ間近であろうキャンディーを神父さんから強奪しに尋ねると、神父さんはポプラのことを抱きしめてきました。

時代が時代なら性的なハラスメントで有り金毟り取ることも可能でしたが、ポプラはキャンディー2つで手を打ってやります。

神父さんはそんなポプラの様子を見て悲しそうな顔をして、「いつでも来ていいんだよ」と言います。どうやら神父さんはこのキャンディー財政難を甘く見ているようです。

教会では老人か物好きな信者が来ているらしくて、神父さんは参加を進めて来たのでポプラは見物することにしました。

教会後方のクラシックなベンチに神父さんとポプラが座って、奥に見えるガラスの光や像、それらに祈る人たちをみていると、神父さんが優しい顔でポプラに話しかけてくるので、二人でお話をします。

「ポプラはしばらく来ていなかったけれど、何をしていたのかな」

「別になにもしてないわ、遊んだり寝たりってかんじ」

「そっか」

「そうだよ、神父さんは?」

「私は随分とポプラのことを心配していた」

「あら、心配なんてされるようなことなんて何もないのに」

「そうかい?」

「そうよ、私ったら元気で仕方がないくらいだもの」

そう言うポプラに神父さんは笑って、だけどなぜか潤んだ目で「それならよかった」と言いました。

なんだか居心地がよくなくなって来たポプラはもう帰ることを告げると、神父さんはポプラをまた抱きしめました。

そして次はおじいさんのオモチャ屋敷に向かうポプラは、ご自慢の三輪車に乗ります。

例の坂に差し掛かるとポプラはペダルから足を外して、そよ風より全然強い風を受けて一気に坂を下って行きます。風に含まれた花の香りはひどく甘いもので、今のポプラはその香りが嫌いではありません。それに誰がこの香りを嫌いになれるのでしょう。色も鮮やかで可愛くて美しくて、なんなら人だけじゃなくてあの白い雲も、飛んでる鳥も、蝶も、蜂も、きっとコオロギだって。

瞬間、ポプラはぐんと腕を引き、自分の体ごと三輪車を地面から浮かせます。そして一瞬宙に浮いたポプラと三輪車は切り離されて坂を転がり、三輪車はポプラと一緒に壊れてしまいました。