ねえ夢みたいな心地

=42.Twitter@CafeNhaao

空っぽ 1

吉祥寺を上から眺める方法は、未だに思いつかないし場所も知らないけれど、それでもこの街は上から眺めたら何かが見える。なんて期待を持っていつもその街を歩く。

 

僕は都民でないから、吉祥寺に向かうには総武線を使う。

御茶ノ水で中央線に乗り換えるかは自由で、街に急ぐのなら乗り換えた方が色々と都合がいい。

そう習ったのは、まだ総武線が黄色一色の時で、今よく見るあの黄色と銀色のかっこいい電車が珍しかった時だ。

 

僕は暖かい色をしているなんて理由で中央線よりも総武線が好きで、そんな事を誰かに言うと

 中央線は橙で、総武線よりも暖色じゃないの?

なんて言われてしまうことから、本当は車内の色の話をしていて、人の多い中央線は陽の光を群衆が遮って暗く見えたり、降りる駅もやっぱり人が少なくて、風もそれなりに入ってくるから暖かい色に見えて好きなんだ。

なんて考えながら、自分の言葉足らずを恨んだりするんだ。

 

電車が街に着くと、季節が僕らを迎える。

特に記憶に残るのは夏と冬で、一歩街へ降りると茹だるような暑さ、肌に痛みを感じるような寒さが身体に付き纏う。

季節の形が濃いのは冬だ。

ビルの陰に入ると酷く寒く感じるけれど、陽の光に身を出した瞬間の暖かさは忘れる事が出来ない。

僕はそんな理由で吉祥寺という街においてだけは、夏よりも冬の方が好きだったりする。